異世界からの使者



リアは倒したゴーレムを見下ろし、呼吸を整えながら立ち上がった。体中にまだ残る余韻が、次の戦闘への不安を呼び起こす。


「ふぅ、やっと倒した……でも、これで終わりじゃないんだよな?」


ルミナがにっこりと微笑んで近づいてきた。


「もちろん。これからが本番よ。」


リアは目を細め、空を見上げる。青く広がる空の下で、ルミナが言う「本番」という言葉にどこか恐怖を感じていた。しかし、今更引き返すわけにもいかない。


「次は何なんだ? またゴーレムみたいな強いやつと戦うのか?」


「それとも、もっと……厄介なものね。」


ルミナの目が急に鋭くなり、リアはその表情に少し緊張を感じた。


「厄介って、どういうことだ?」


ルミナは一瞬黙り込み、そして低い声で言った。


「次に出てくるのは、異世界からの使者――"邪魔者"よ。」


リアはその言葉に驚いた。


「異世界……? それって、あのゴーレムみたいなやつとは全然違うってことか?」


「ええ、異世界の使者たちは普通の方法じゃ倒せない。彼らは強力な魔法の使い手であり、身体能力も非凡。あなたの力だけでは到底かなわないわ。」


「そ、そんなやつと戦えって言うのかよ!?」


リアは思わず声を荒げる。だが、ルミナは淡々と続けた。


「そう。あなたが世界を救うためには、その使者たちを倒さないといけない。そして、あなたが倒すことで、この世界の均衡が保たれる。」


「でも、どうやって倒せばいいんだよ! そんな強い奴ら……」


「それを教えるために、あなたには"力の源"を見つけてもらう必要がある。」


リアは眉をひそめる。


「力の源? それって、何だ?」


「それはあなたの成長を促進するもの。あなたがこの世界を救うために必要な力を、あらかじめ与えるわ。」


リアは頷いた。


「どうやってその力を手に入れるんだ?」


「この場所には『聖なる洞窟』という場所がある。そこに行き、"力の源"を探し出してきて。あなたの成長を助けるだけでなく、強力な魔法の力も得られるはずよ。」


「聖なる洞窟……。わかった、行けばいいんだな?」


ルミナは静かに頷き、リアに指示を出した。


「そう。でも、注意して。聖なる洞窟は簡単にたどり着ける場所じゃないわ。途中で出会う敵や罠に気をつけて。」


「わかってる。行けばいいんだろ?」


「うん、でも無理をしないで。力の源を得ることであなたの強さは飛躍的に向上するけど、それにはリスクも伴うわ。」


「リスク?」


リアが顔をしかめると、ルミナは少し間を置いてから続けた。


「力の源は、あなたの命をかけて手に入れるものだから。」


リアの体が一瞬、硬直する。


「命をかけて?」


ルミナの目が厳しくなり、再びその口を開いた。


「ええ。あなたが本当に世界を救いたいのであれば、覚悟を決めて挑む必要があるわ。」


リアはその言葉を噛みしめるように受け止めた。どこか遠くにある洞窟へ向かう道のりが、突然途方もなく長いものに思えてきた。だが、もう引き返すわけにはいかない。


「行ってやるよ……世界を救うためには、これくらいは覚悟しないとな。」


リアは胸に手を当て、しっかりと決意を固めた。その瞳には、かつてないほど強い意志が宿っていた。


現時点のステータス【更新】

名前:リア(Ria)


職業:賢者

レベル:7 → 8

スキル:ファイアボール、アーストラップ、柔軟化、重力圧縮、エクスパンション(特性発動時)

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転生賢者の成り上がり〜楽してレベリングしたいがなぜか厄介事に巻き込まれるんだがッ!?〜 @ikkyu33

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