第5話 事実上に縁切りからボッチで旅に出ます…
アッシュ・グリーシア、城から出たらグリーシアの人間ではない!(その言葉が脳内でやまびこのように響く)
15歳の誕生日。俺アッシュ・グリーシアはグリーシアの名前と身分を捨てを捨て(事実上の縁切り)バック一つと、金貨と銀貨を旅の路銀としては十分困らない金額を持ち
現在、城を出て国の貧民街へ来ている
城をでて行く際に、父上からさりげなく渡された「待ち人ここにあり」というメモを見ながら目的地に進んでいた
なんだか、昼間でも近づかないような薄気味悪い、というより治安悪い区域だ
俺は王子として顔がバレないように、フードをかぶってコソコソ貧民街を通っていく
すると、目的の酒場の入り口に、黒いフードを被った、青い髪に眼帯、褐色の肌…
薄着でいるが、肩に巻いてる黒の布地に独特の模様
グリーシア国お抱えの暗殺や汚れ仕事を専門とする部隊だ…
それをみた俺は「マジかぁ…」と口から本音が出てしまった
しかしメモを見ても、俺が間違ってるわけがなく
恐る恐る
「よ、よぉ…えっとー待ち合わせか?」
と声をかけるが
キッと睨まれた瞬間、冷や汗が出るほどの殺気を感じた
何かを悟った彼女は手招きをして、酒場ではなく、別の方向へ歩き出すので
俺は、悪い意味で高鳴った心音と共に、黙ってその女の後ろをついていく
するとついたところは、城の門の近くの宿だった
「こ、ここに今日は泊まるのか?」
と俺は確認すると、女はうなづくので
宿屋のドアを開ける、二人で宿屋に入る
「まぁ、アッシュ王子いらっしゃい……実は、グリーシア家からの預かってるものがあるんだ」
宿屋の受付、多分ここの主人だろう人に言われた時、どう言うことかと思ったが指定の部屋に、荷物があるとのことらしい
「宿代はもうもらってるんだ。うちでは…王宮並みのおもてなしはできないけど、精一杯おもてなしさせていただきますよ。誕生日、おめでとうございます」
宿の主人が鍵だけをスッと出すので俺が手を出すと、カチャリと鍵が俺の手の上に置かれた
鍵に記された部屋に「なにがある」のか不思議に思ったが
二人して言葉を交わさず、足をすすめる
「ここか……」
と部屋の番号と鍵に記された番号を確認してから、俺は部屋の鍵を開けてドアを開ける
すると部屋には人が一人ギリギリ通れるかの量の荷物の箱が置いてあり
「な、なんだこの、荷物の量は…」
俺が驚いてる間、女は先に部屋に入り
「全てあなたの荷物ですよ。アッシュ王子」
初めて女が口を開いた
すると俺にドアを閉めるようハンドサインを出すので、俺は部屋にあわてて入り、部屋の鍵を閉める
「アッシュ王子、申し遅れ…及び無礼をお
女は俺に向かい合い、頭を下げ片膝を床につける
「いや、最初はびっくりしたけどよ…あれだろ?この国の汚れ仕事を引き受けてくれてる、その秘密部隊の一人なんだろ?」
「はっ、おっしゃる通りです。私は、任務の度に名前を変えてますので、好きに呼んでいただいて構いません」
んなこと急に言われても、殺気は怖いし下手にいえねぇよ…!
「あー…じゃあ………と、とりあえず、荷物片付けながらそれは決めないか?俺も、グリーシア家を追い出されたから、気軽にアッシュの名前を使えないんだしよ」
と、俺は気まずさから部屋の奥にふみ入り、積み上げられた荷物を確認していく
「………アッシュ様。私たちは夫婦という形でいきましょう。予定では明日には、この国を出ます……アッシュ様?」
手に取る荷物が、兄や弟妹、両親からの
旅に役に立つさまざまな品、気づけば俺は感情が溢れて、
「……よしよし」
それに気づいた女は俺を落ち着くまでずっと抱きしめてくれた
「すまねぇ……みっともねぇよな」
と俺は女の両肩を掴み自分から話す
「いえ……当然のことかと思います…」
俺はまだ涙が止まらないままその場で立ち尽くしていたが、女の方はモジモジし始める
「あ…あの、私でよろしければ、お慰めを…い、嫌だったら…」
「慰め………?」
俺は意味がわからず、涙でぐすぐすのまま聞き返す
すると、女は耳元までぐっと近づき甘い声で囁いた
「夜のお相手…私のハニートラップの練習に付き合っていただけませんか?」
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