第5話

広美に誘われた貧乳パーリィという名の合コン。

傷口に塩を塗りこむ真似しやがって!と正直ムカついていた。


行くまでは。



「こんばんは~」

「はじめまして~」

「こんばんは」

「よろしくでーす」

「えーみんなかわいいね~」



私達が貧乳とも知らず集まった大手電気メーカー勤務の男5人衆。


自分が貧乳だという事を忘れてしまうくらいのイケメン揃いだった。


だがしかしすぐに目が覚めた。


自分は貧乳であるという事を。


そしてやっぱり男は女のおっぱいが好きなんだという現実をまざまざと見せつけられたのだ。




「志保ちゃん、めっちゃかわいいね~」


「マジで美人」


「すげースタイルいいよね!志保ちゃん」


「一目惚れしちゃったかも、オレ」



…何言ってんのよコイツら。

志保の事かわいいかわいいスタイルいいってどこ見て言ってんのよ。


さっきからみんな志保のおっぱいしか見てないじゃない!!



「ちょっと桃子」


「何よ広美」



私達は志保をトイレに呼び出した。



「ちょっとアンタ!何しに来たのよ!」


「なんなのよそのデカパイ!」


「はあ?」


「今日は貧乳しか参加できないのよ!」


「そうよ!」


「ったく毎回毎回うるさいなぁ」


「参加するなら私達みたいに胸を小さくしてから来いっていっつも言ってるでしょ!」


「そうだそうだ!」


「あーはいはい、すいませーん」


「ムカつく!デカパイムカつく!」


「デカパイのクセにホント生意気だわ!」


「本当にすみませーんデカパイで」


「ちょっと触らせなさいよ」


「私にもちょっと揉ませなさい」


「またー!?」


「ああすごい♡」


「なにこれすごい♡」



私達は志保をボッコボコにしてやった。

私達はいつもこうなの。でも大丈夫。私達は仲良しだから。



結局、私が狙っていた男は、ていうか5人中4人がデカパイ志保狙いだった。


志保はいちばんのイケメンにお持ち帰りされた。





「…また負けた」



「…またデカパイテロリストにやられた」



「飲み直すわよ、桃子」



「行こう、バルチック艦隊へ…!」




私と広美の絆がまた深まった夜だった。


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