第2章④

十分ほど歩き鈴の家に着いた。

「ここがこっちの世界の家かー」

 ケイが家の中を見渡してそういった。ケイ曰く、こっちの世界とフォトニアでは家の作りや素材などが違うらしい。ケイは興味津々に家の中を見て回った。鈴はケイの横で荷物を下ろし、飲み物を取りにキッチンに向かった。そしてケイにダイニングの椅子に座るようにと手招きした。ケイはもう一つの椅子に腰掛けた。

「家には私一人なので自分の家のようにくつろいでもらっていいから。」

 鈴はそう言い持ってきたお茶をケイに出し、自分もケイの向に座った。ケイは鈴から貰ったお茶を一口飲み、鈴に話しかけた。

「鈴、さっきから気になってたんだけど、何この硬い感じの話し方。」

ケイは鈴がずっと敬語で話してくるのが気になった。鈴は一応初対面だからと伝えるがケイはどうも気に食わない様子だった。

「俺はそういうの気にしないからさ、普通に話そうよ」

 ケイはそう鈴に提案した。ケイの提案に戸惑っているとケイはすかさず

「だって帰るまで一緒に過ごすのに距離感感じるとくつろごうにもくつろげないな〜」

と、呟いた。ケイの呟きに鈴は確かにこれから一緒に過ごすのに敬語はなんか違うなと納得した。それに、ケイは知らない土地に一人。少しでも打ち解けてくつろげるようになればいいと思った。鈴は敬語を抜くことにした。

 グ〜〜……

 ケイのお腹が鳴った。そういえばケイは何も食べていないのだった。ケイのお腹の音を聞き鈴は何か食べ物がないか見に行った。しばらくして鈴は両手に電子レンジで解凍した冷凍グラタンを持ってテーブルに置いた。ケイはグラタンを見て目を輝かせた。鈴は熱いから気をつけて食べてねとケイに伝えた。

「ありがとう!いただきます。」

二人は向あって食べ始めた。食べながら鈴はケイに色々なことを尋ねた。

「グラタンはケイのいたところにもあったの?」

「うん、俺の大好物なんだよね」

「そうなの?じゃあ丁度良かったね」

 たわいもない会話を続けながら二人は次々にグラタンを口に運び続けた。

「ご馳走様!」

 ケイが勢いよく言った。鈴は二人分の食器を持ってキッチンに片付けに行った。ケイはその場で待っており、しばらくして鈴が戻ってきた。鈴は暖かいお茶を持ってきてまたケイの向に座った。

「そういえば、ケイは向こうの世界で何してたの?」

鈴はケイにそう尋ねた。ケイはフォトニアでのことを話し出した。

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