第2章③

「もしかしてあれじゃないですか？異世界転生。」

　女性の発言にケイは「なんだそれ？」といった感じの表情を浮かべていた。異世界転生とはなんらかの原因で自分達が元々住んでいる所とは別の時空の場所に飛ばされてしまうこと。女性はケイにそう説明した。あの時魔王にやられて気絶して、気づいたらここにいた。ケイは女性が言ったことと自分の身に起きていることが似ていると感じた。それにしても異世界転生がほんとにあるなんて女性はケイの方を見て関心していた

「んで、どうしたら戻れるんだ？」

　ケイはそう女性に尋ねた。そう言われても女性にわかるはずがない。実際に経験したこと何なんて女性にはないからだ。やはり、簡単には元の世界に戻る方法を見つけるのは難しいのであった。

そう話していると急にケイは座りこんだ。女性は心配そうにケイの顔を覗き込むとケイは一言呟いた。

「お腹すいた…」

ケイはこっちにきてから何も食べてなかったのだ。ほぼ丸一日食べてなく、帰る方法もわからない。もう外は暗くこのまま外で一晩過ごすのは危険すぎる。そんな様子のケイを見てこのまま見捨てて新褪せたくないと思った女性は、「手掛かりが見つかるまでうちへ来ませんか？」とケイを自宅へ招待した。

女性の言葉にケイは「いいのか？」と少し遠慮気味に返したがすぐに女性の家にお邪魔することに決めた。

「ありがとな！あ、俺はケイ。ところでおまえさんの名前は？」

「あ、言っていませんでしたね、私は鈴と言います。」

「鈴っていうのか。これから色々世話になるからよろしくな。」

　互いに自己紹介を士、二人は鈴の家に向かった。

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