第2話 死の女神

「うわぁぁぁぁ!!」


俺は飛び起きた。なんだ、なにが起こってる?


あたりは暗く不思議な空間だった。


「誰かに押さ…れた?いやそれにしてもここはどこだ?」


そこは真っ暗な空間だった。ぼんやりとだが、見たことない奇妙なオブジェや小物がたくさん置かれている。それはそれは異様な空間だった。


「わからねぇ、とりあえず調べてみるか」


暗闇の中奇妙なオブジェに目をやると、それは精巧なモンスターのフィギュアのようであった。アンデットや悪魔、おどろおどろしいモンスターばかりだったが素晴らしい出来のように見えた。


「おー、すげぇなぁ…」


その時、突然


「「はっはっは!どうじゃ!我に感謝せぇ!!」」


「うわぁ!!」


背後から突然女性の声がして大げさに転んでしまった。


その声の先に目をやる。すると俺は更に驚いた。


コスプレ?なのか…?まるでゲームやアニメのキャラのような格好をした女性がそこにいた。


--ん?感謝?


「あ、あのーすみません、感謝というのは…?」


「お主がほら!死にたいと思っとったじゃろ??だから背中を押してやったんじゃ!!ほら、わしに感謝し、そして崇め奉れ!」


そう言うと得意げに踏ん反り返る


「はぁっ!?えぇ!?俺が、死んだ…だと??でも死んだって言っても俺はここにいるじゃねぇか」


「我は死を司る女神ぞ。わしに会えてる時点でお主は死んどる証じゃ!」


--まじ…??死んだ?俺が…


「おま、、何してくれてんだよ!!」


「お主が死にたいって言ったんじゃぞ?なんでわしが責められてるのじゃ!?」


「そりゃ、一瞬死んだら楽になるのかなって思ったような気もあるけど、こう…言葉のあやって言うか何というか…確かに本当に辛くて身を投げる人もいるけど俺はぜんぜん違うんだが…」


「ぬぁ!?じゃあ我のミス!?まずい、それはまずいのじゃ!」


死の女神とやらは分かりやすく頭を抱えた。


「死神界では死は救い。苦痛や絶望から解放してやるのが我ら死神の役目。どれだけ死を用いて救ってやったかが成績になるのじゃ…」


--おいおい、人の死を営業成績みたいに言うんじゃねぇっ!!


「間違って人間を死なせたらペナリティじゃ…いやじゃ…ペナリティはもういやじゃ…」


「そうじゃお前!生き返らせてやろう!これでチャラ!これでチャラな!?」


「えっ生き返れるのか!?」


「そりゃ我は死を司る女神ぞ?ただ前の世界は無理じゃ。我が管轄しておる世界での甦りになるがのぉ」


「それってまさか魔物とかいて危険とかじゃないよな?」


「おお!正解じゃ!魔物が蔓延る面白すぎる世界じゃ!」


「平和な地球とかけ離れた難易度MAXの世界じゃねぇか!!復活しても俺みたいなただの人間が魔物うじゃうじゃの世界に行ったらすぐ死ぬに決まってんだろ!」


「まぁ待て、我が管轄しておると言ったじゃろ?魔物が人間種にとって危険であれば魔物に好かれる加護を与えて世界に放とう」


「あー、それなら安心か…じゃあ問題なさs…」


「オッケーじゃな!!またのぉ!!」


突然、魔法陣のようなものが足元で出来上がる。


「んおっ!?」


視界が光に包まれた。


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魔物に好かれすぎる俺は人間と敵対する @snowmeow

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