episode6 怪々
その後、アパートの1階に見慣れたバイクがあった。
赤と黒に統一された、ネイキッドバイク。
どうやらバイクの持ち主は階段を上がってきたようだ。
そして俺は軽く挨拶をする。
「双牙の兄貴、こんばんは」
これに微笑んでくれたこの人は
双牙悠大 (ふたきばゆうだい)
俺よりも2歳年上の25歳だ。だから、親しみを込めて、兄貴と呼んでいるのだ。
この人はかつてホワイトハッカーだったが現在はハッキングを水嶼に任せ、自分は監察方
所謂スパイの様に潜入捜査を行っているようだ
「双牙の兄貴、この銃の出処を探していただきたい。恐らく反社会勢力か偏った政治思想団体、もしくは宗教団体絡みかと思われます。」
と報告すると、兄貴は
「分かった。調べておくよ、犯人は警察に引き渡し、彼女は彼女の友人の家に匿ってもらった
それでもいいか?」
「はい、大丈夫です。」と答えると双牙の兄貴が突然とある話を持ち掛けてくれた。
「なぁ、お前赤城を知ってるか?」
俺はてっきり、この人のことだから旧大日本帝国海軍の戦艦赤城かと思ったのだが
(そいや、双牙の兄貴は軍艦や戦艦オタクだったな)
そうではない。
この「アカギ」というのはこの周辺地域の暴走族らしいが、どうやらこのアカギは暴力団と繋がりが深いらしい。
いずれにせよほっとけない連中だ。
これから対策を考えよう。
そう、考えアパートの廊下を見た瞬間目が眩んだ。
(なんだ?この奇妙な感覚は、頭が詰まるというのか?突然深い水の底に落ちたようだ)
余りに突っ立っていたため双牙の兄貴は
「おい?大丈夫か新道?顔色が悪い。」
慌てて俺は大丈夫ですとだけ伝え、帰宅した。
この事件はつくづく気味が悪い、なんというか
一昔前のホラー映画を観ているようだ。
この事件はまだ終わりがない。むしろ、戦いの始まりだった。
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