テーマはズバリ、バストが大きすぎる女性の悩みです。
「悩み? そんなものあるの? 大きくて人生得得モードじゃない?」
違うんですよ。
たぶん、ヒロイン(社会人女性)は、もし、神様から、
「大、中、小、好きなサイズを選んで生まれてよろしい。」
と言われたら、迷わず、
「大以外でぇ〜〜〜〜〜っ!!」
と叫んでしまうに違いないのです。
それだけ、バストが大きすぎる女性には、人にはわからない悩みがあるのです。
際どいセリフが出てきても、まったく下ネタではない、読み手を不快にさせない、稀有な作品でございます。
……ハンサム(物語のヒーロー)が好印象。
拝読していて、「ハンサム、良く言ったぁ!!」と言いたくなってしまいました。
後味の良い読み切り作品です。
そりゃ、放っておいたって小さくなるわけはないんですが。
夏のセミも、汗ばむ日差しも、焼肉の煙に負けぬ会話もビールの爽快さも
何もかも変わらず、あの日のまま
こちらはアップデートされた天花粉なのですが、
あの日の諧謔と上品で性的なお話は健在です。
ですが、どことなく二人の人物としての輪郭が、彫りを深くしたような
そんな感触もありました。
──大きい人の悩みは、小さい人にはわからない
逆もまた真なり
でも、小さい人の悩みは共有しやすく
大きい人の悩みは、理解されにくいものなのかもしれない
そんな二人が出会ったら、
思わず本音で話してしまう
他では言えない、大物事情
天花粉と、夏の空気と蝉の声
そこに、二人が欲しかった
ささやかで「普通」の時間が持てたなら
それはとても素敵なことだろう
二人は、まさにお互いのココロの隙間を埋めるものをお持ちだ
他人のノイズは、忘れてしまおう
頑張れ 頑張れ 蝉たちよ
こんどは、あなたにそのエールが届きますように
友人と海外旅行に行った時、赤子の頭ほどはあろうかというハンバーガーが出てきた。
そこそこ高級なレストランでのことだ。
デカすぎだろうよ、これ。
フォークとナイフを恐る恐る手にとった。この場所にふさわしいマナーでこいつを食べれるのか? どうなんだ?
格闘の準備をしていると、
「頑張る」
友人のうちで最もお嬢で最も上品な友人が、フォークとナイフをぱっと手放し、気合をいれるなり、赤子の頭にかじりついたのだ。
あ、やっぱり~。
そうだよね、赤子だもんね~(※ハンバーガーです)
周囲の外国人も両手でかぶりついている。フォークとナイフで小さく切っている老婦人もいたがあんなものは邪道だ。
皿の上に中身をぼろぼろと落としつつも、彼女に倣って手づかみでいった。
なんだか可笑しくなってきて、ふふふあははと笑っていると、近くのテーブルの人たちもみんな笑った。
水に飢えた馬のような食べ方になったが、顎が外れかけたのとあわせて、忘れられない想い出の一つになっている。
なんの話だっけ。
デカい話でしたね。
羽目を外しても下品に転ばずお上品さを保てる人は、上品だ。
この作品を読んで、作者のことを「下品な人だ」と顔をしかめる人は皆無だろう。もしいたらその人は野暮だ。
ナニがあれして夏にはアレ。赤裸々に書かれていても、下品ではない。
きわどいことを幾ら書いても、読者のことを不愉快にはしないし、ご自身の品性も下げることがないのは、豆ははこさまのご性格がよいからだ。
性格がよい、のに、かつてフィギュア界を沸かせた天才少女のようにとびぬけた才能が鼻について足許をすくわんとする逆風が吹き荒れることもあるし、「性格が良いから、だから何」というほど無に近い印象の人もいるのだが、人格バランスが実にちょうどいい。
堅すぎず、柔すぎず。
賢すぎず、バカすぎない。
(つまりとても賢い)
コンクリートをブチ破って「咲いておりますのよ、ほほ」と優雅に顔を出す夏の野花のように、艶々している。
エロ要素が隠し味になっている作品はよほど悪趣味なものでない限り読者のくいつきを保証されるものだが、それに甘んじることなく、エロ要素を遠慮なくぽんぽんと投げ込みながらも好感度の高い主人公たちを造形することに成功しており、全体が大胆で明るい。
それもこれも、トランプのポーカーで、相手の手が分からない時でも、
「勝負!」
カードをぱっと広げて出すような気風が作者さまにあるからだ。
そして勝っても負けても引きずらず、さあ洗濯ものを干さなくちゃとばかりに、さっさと日常に戻っていく。
家庭の主婦でもある豆ははこさまのその日常の中には、彼女のエッセイ『多分、エッセイ。』でおなじみの猫型配膳ロボットがいて、今日もまた、つーいつーいと、注文したものとは違うものを豆ははこさまの前に運んでいるのだろう。なお、あのエッセイは前回のカクヨムコンで弩級の星数を獲得して銀河になった。
吸い込むと鼻の奥が痛くなる天花粉の想い出と共に、デカさよ、永遠なれ。