繊細で温かみのある作品。
肖子の過去のエピソードが語られる部分は印象的でした。
子どもの頃のトラウマって、些細なことでも心に深く残るものだし、無邪気な悪意が人を傷つける……。
読んでいて切なくなりました,
それをただの悲しい思い出にせず、もしかしたら見た人の感性によって評価が違っていただけかもと別の視点から考えられるのが良かったです。
そクライマックスのやりとりがとても、非常に温かい。ぬくぬくです。
自分が贈ったハンカチの柄をモチーフに絵を描いてくれていたことを知るシーン、互いを大切に思っている気持ちがじんわり伝わってきます。
最後の「擦り切れるまで使うつもり」という言葉も、相手への愛着や思い出を大切にする気持ちが込められていて、とてもグッときました。エモ。
リアルでもこういう、本人は違うものを描いたつもりだけど、周りには違って伝わることありますよね。
その勘違いすら笑い合える関係性が素敵だし、みんなに絵を見せて意見をもらうことで、過去の苦い思い出を少しずつ乗り越えていくのも良かったです。
友情の温かさと、創作へのコンプレックスや成長が丁寧に描かれた、読み応えのある作品でした。
会話の掛け合いが絶妙で、2人の関係性がより愛おしく感じられました!