第24話

しかし…その剣はクロノの体を擦り抜け、マオは体制を崩した。


『…フゥ…切れぬと言ったのだがな;』

ヤレヤレとクロノは肩を竦め、

『マオ、我は神殿を統べる者と言った筈だ。LOOPを司る者だと解らんか?』


暫く呆然としていたマオだったが、やっと理解した様だ。

「じゃあ…あんたが願いを叶えてくれんのか?」

じっ…とクロノを見つめ問いかける。


暫しの沈黙の後に、クロノは口を開いた。

『・・・マオの求めるモノは何だ?』

「ケイっ!!俺の剣の師匠、ケイに逢いたいっ!!」

今まで大人びた顔つきで虚勢を張っていたマオの顔が、急に寂しそうな、泣きそうな顔つきになる。

『…マオ…何故、ケイに逢いたいのだ?』

そう言ったクロノは、顔を歪めて哀しそうだった。

「っ!!逢って、話したい…。何故黙って行ってしまったのかをっ!!」



『・・・…マオ、何故ここが『LOOP』と言われているか、知ってるかい?』

「なっ?!俺はっ…」

マオが言おうとした言の葉を、

『いいから、ケイに逢いたいのなら…心してお聞き…。』

と、クロノが制して語り始めた。

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