第23話

奥へ入ると、そこには大きな扉があった。


ギギギ…


「!!」

「…開いた?」

扉に近付いただけで…二人を招き入れるかの如く、扉が開いたのだ。

「…俺らを歓迎してくれてるぜ?」

マオの鼓動が高鳴る。

「…うん…」

得も知れぬ緊張感がミクを硬直させる。

「…行こう。」

軽く背を叩かれ、少しの勇気を出す。

「『LOOP』へ!!」




扉の向こうには…薄暗い広間…。


「見えね…」

「目が…慣れるまでは…」


目が慣れて、やっと部屋の中の物が見え始める…。


広い空間の奥、階段の上の祭壇。


その横には…二つの不思議な色の渦…。



『求めし者よ』

マオの、ミクの、頭の中に響く様な…声?

「っ?」

「やっ…」

それは、魂に直接触れるかの様な…重い、でも心地良い響き…。


『我が祭壇へ…。』


「!誰…だ?!」

マオは不可思議な響きに問い掛ける。が、

『我が祭壇へ…。』

返って来るのは、先程と同じ言葉。

「…マオ、行こう。不思議な気配の場所に…」

ミクが祭壇を指差していた。


マオは無言で歩き出す。





祭壇に着くと…一つの渦が揺らいだ。

「っ?!」

マオが息を呑んだ瞬間…

『求める者よ…よく来たね…。』

渦の中から美しい男性が現れたのだ。

「な…お前は…誰だ?!」

一瞬言葉を失ったマオだったが、直ぐさま剣に手が伸びる。


『我が名はクロノ…この神殿を統べる者…。』

「俺はマオ!ここにLOOPはあるのか?!」

厳しい表情は変わらずに、クロノに詰め寄る。

『マオ、余り興奮しないで…。我はソレでは断ち切れないしね。』

クックッと苦笑しながら、マオに優しく語りかける。

「!!質問に答えろ!」

しかし勢いは止まらない。

「マオっ!」

ミクの叫びも虚しく…

シュッ…


マオの剣が振り落れされた…。

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