第12話

「はぁ…やっぱり森…ってか…」

「…足痛い…」


ミクのオマジナイ?のお陰か、はたまたミクが傍に居るからか…

マオ独りの時と比べると魔物の出現率が遥かに減ったのだが…。



「足場悪いし…ほらっ!見事に生えてる草と苔…」

自らの剣で切り開けど切り開けど…更に広がる一面緑の世界っ!!

「マオっ…に…着いてくの…辛…かも」

へとへとのミクは、限界だった。


無理は無い。


今まではこんな森どころか街すらろくに歩いた事など無い。



「ハァ…休むか。」

何日も緑一色の中でげんなりだ。

適当な所に座り、ミクに『SEED』を渡す。


「???」

ミクは渡されたモノを不思議そうに見た。

「食い物だ。SEEDって言う。…旨いもんじゃ無いが…栄養価が高い。」

マオは説明しながら、SEEDを口に放りこむ。

「…食べ物…。」

ポツリと呟くと…ミクがマオ同様に口に入れる。


「あ!カリカリッ!」

初めて食べる食感に、何だか嬉しそうだ。


「…今まで何食ってたんだ?」

恐る恐る聞いてみる。

「ん?魔物肉とか…花の蜜とか…後は…草!」

にっこりとそう返すミクに、

「…無事帰れたら旨い物食わせてやる…」

ポンッとミクの肩を掴んで、哀れみの表情を浮かべるマオであった。

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