第21話





「ちょ、……ま………っ……」

「着いた!!!」




「ぜー………はー………ぜー………げほっげほっ!!」

「Σえっ?セイ君大丈夫?!」




「大丈…夫っじゃ……なっ………ぜーぜー」





そう。

ホムラの村は山岳地。


そこを毎日の様に走り回っていたホムラに、ついていくのがやっと…


……と、言うか、既に息も絶え絶えなセイ君は、しゃがみこみぐったりしていた。






「ごっ……ごめん……」

「はー……つか、こんなに走ったの初めて……か?………つか、外に出たの三日ぶり…?否、四日ぶり、か……?」



「Σえっ?!」





はぁぁぁ………と、大きなため息と共に、セイ君がホムラを……否

ホムラの背後を見て、目を丸くする。





「あれ……」

「え?……」








指で指したその渓谷の先に……





キラキラと輝く七色の虹の橋が、

谷間を渡っていた。






「虹、初めて見た~!!!」

「………そう………」





キラキラと輝く虹に感動した

キラキラと輝くホムラの笑顔。





「……ところで、君の名前は何……?何処の子供?」

「Σあっ!!!俺、じこしょーかいとかまだだったかも?」

「ん。で、誰?」





真顔で。

じっとホムラを見るセイ君に。





「はいっ!!俺の名前はホムラ!!!炎の村、プロクスプエブロから来たよ!!!じい様が村長で、とうちゃんは剣士!!!んと、あ、フラーマ置いてきた!!!あれ、弟。もう一人弟が居るけど、まだ3歳だからかあちゃんのとこでお留守番。」


「………ホムラ……プロクスプエブロ……で、お前幾つなの?」

「10歳!!!セイ君も同じくらい?」

「……僕は12。………はぁ、お前顔がうるさい…何そのコロコロ変わる顔……」


「Σえぇぇっ?」






大きなタメ息と共に

ジト目で皮肉な事を言うセイ君に、

またもや大きなリアクションのホムラ。





「ん、疲れたから帰る。」

「Σえぇ?!……来たばっかなのに……」


「…お前はまだ居るの?」

「……セイ君と一緒に行く……」



「そ。………ま、たまには外も良かった。虹見れたし……」






しょぼんな顔のホムラを、チラリと見たセイ君は、小さな声で呟いた。





「Σうんっ!!!またこーやって遊ぼうねっ!!俺、また来るからっ!!!」

「…外に出たくないし、来なくて良いし……」

「Σ約束っ!!!♪指切りげんまん♪」


「Σ勝手に約束して指切りすんな!!!」




赤い髪と蒼い髪が風になびく

初めて逢った日の帰り道



それは二人の中に小さな光が産まれた日のこと。

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