第16話

『…』

クロノは何も語らず、そっとマオの髪を撫でる。

マオもそれを拒む事は無く、逆にそっと体を預ける形でクロノに寄り添ったのだ。


『マオ…』

一言だけ呟くとクロノはマオを抱きしめ、その髪に口付ける。

たったそれだけなのに…


「っ!?…な…っ」


マオの体にゾクリとした何かが走ったのだ。

恐怖や嫌悪では無く…別の何かが…。


『我の知りうる全てをマオに与えよう。…この快楽も又、その一つ…。』


「ふぁ…っんっ!!…あぁ…ぅ」

クロノが指で、唇で、マオの体に触れる度に今まで知らなかった感覚が走る。

その度マオからは甘く切ない吐息が漏れるのだ。


「ぅ…ふっ…ちょ…待って!!!」

『ん?…何だ?』


唇が触れる合う寸前の所で、マオが中断させる。

何故なら、


「何で俺っ、いつの間にか服消えてんのっ?!」

『邪魔だったから。…マオは着たままが良かったのか?』

ケロリと言い放つクロノに、

「~っっ!!そうじゃなくてっ!!…あぁっ!!もぉいいや;」

と、諦めモードになるマオ。

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