第5話

帰宅した敦希は、先程貰った名刺を玄関先へと放置したまま自室へ。


「…あれからほんとにつっまんないんだよねぇ…」


携帯を弄り、友人からのメールへと返信を…

…途中でやめる。


「コータ先輩も、元気かなぁ…」


徐にPCを開いてメールを…


「あっ!!!」


『松本光太』


未開封メールに、久々に大好きなコータの名前!!!

微妙に震える手で、メールを開封……。


『秘境の島からコンニチハ


なんてな(笑)

敦希、元気か?

俺は毎日がバカンス気分で、多分頭ん中が麻痺してんじゃね?位に、時間の流れに鈍感になってるよ(笑)


敦希は進級して、また前みたいに楽しそうにしてんじゃねぇかと、想像したりするんだけど……

まさかの脱け殻とかになってねぇか?!

最後には久司とずいぶん仲良しだったから、居なくなって淋しいとか…思ってんのかな?なんてな。


ま、元気な姿を期待して(笑)

俺も大分落ち着いて来た…気がするから、うん…なんだ……。


久司が帰国して、あ。敦希の就職や進学が決まってからで良いからさ。




…また、逢おうな。』



明るく、楽しそうに…そして敦希を心配するそんな内容のメール…。


「グスッ…うっ……コータ先輩……今直ぐにでも逢いたいよっ!!!」



優しさが滲み出るコータからのメールに、思わず涙腺が緩む…。


…卒業からたった数ヶ月…

コータ…久司…

皆が変わって行く中、敦希だけが同じ学校で、変わらない生活…。


「…グシッ…先輩達は……」


「ただいまぁ~……あら?何か……え?…ちょ…えぇっ?!…マジで?!」


茜色に染まる部屋に、バタバタと帰宅した母の声が聞こえる。


「敦希ッ!!ちょっと敦希ッ!!」

「!!グシッ…!!ちょ…感傷に浸る時間…無いじゃん;……はぁ、何?」


少しだけ赤い目で、機嫌悪そうないつもの敦希の顔をを作り、部屋から出ていく。

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