秘境の外からコンニチハ~完結後『敦希編』

第1話




春休み中、海外に行く支度で忙しい久司の元…じゃなくてっ!!!

的場先輩のお兄さんのカフェへと、何日かに一度のペースで行っていたけど…。




「あっ!!敦希君いらっしゃ~い!!いやぁ~可愛い敦希君がお客さんが連れて来てくれるの、嬉しいなぁ!!」

「はぁ…またぞろぞろと来たのか…」



そう。


温度差のある兄弟の言葉通り、来る時は多い時で二桁の人数を従えて来ているのだ。



「先輩ひどっ!!売上に貢献してんじゃんっ!!!」


なぁ…と、振り返るその後ろの久司の後輩たちは、フルフルと首を振るだけでそそくさと解放された座席へと逃げていくのだ。



「敦希、よく的場先輩にタメ口聞けるよな…」

「ああ…。敦希は怖いもの知らずだからな…」



ぼそぼそと陰で小さく零すその言葉は…

久司の目付きの悪さと、松本光太の父親の恐怖の噂話のせいだ…と言う事は、これを見ている皆様にはお解りだと思いますが。



「はいはい。取り敢えず今日は、春の新作・ベリーの吐息、なんてどお?」

「…吐息って…乙女じゃないんだから;」


新作オススメといつものメニュー片手に、久司のお兄さんがニコニコと仕事をしている。




…久司は、取り敢えず出て来て顔をみせただけで

また、二階の自室へと戻って行った様だ。



(やっぱり忙しいんだ…)




少しだけ寂しそうな顔で、久司の居ない店内を見つめた敦希であった。

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