第21話

もう一度体に力を入れてみるものの、上から男の力に押さえ込まれているのだ。



どうにもならない。



そしてわけがわからなくても、生きるためにはこのままじゃ絶対ダメだ。



それだけは本能的にわかり、あたしは…



「死にたくっ、ない……っ!!」



ただひと言。

今吐き出せる最大の望みはそれだけだった。



男はそんなあたしの言葉を回答と取ったのか。



懐から何やら注射器を取り出してあたしの首筋に躊躇いもなく打ち込んできたのだ。

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