第1話 テニスコートで

5月の光まばゆい日火曜日の午後、浅香安希あさかあきは部活に入ってないので、いつもなら放課後はすぐ帰宅していましたが、どういう風の吹き回しか、テニスコートに行ってみることにしました。すると、硬式テニス部の女の子達が練習をしていました。みんな可愛くて一生懸命練習していました。安希は1時間ほど練習ぶりを見ていましたが、お家に帰りました。水曜日も木曜日も天気が良くて、安希はまたまたテニスコート見学をしていました。金曜日も練習ぶりを見に行って帰ろうかと思った時、1人の女の子が安希に声を掛けました。

「最近毎日、ここに来て練習を見に来てるようだけど、誰か気に入った子がいるのかな。」

それは、硬式テニス部のマネージャーの柳井逢花やないあいかでした。そこで安希は遠くに見える雪沢幸加ゆきざわさちかを指差しました。それで柳井逢花は練習中の雪沢幸加を呼びました。幸加は安希の隣に来て言いました。

「私の練習ぶりを見てたんですってね。どうです、うまいでしょ。」

安希は、

「うん、とってもうまいし、一生懸命だからもっとなりますね。ぼくは運動がダメなのでうらやましいです。」

と返事しました。それを受けて幸加は、

「私を応援してくれるみたいでうれしいわ。もし良かったら、一緒に帰りませんか。練習済んだら制服に着替えるから、校門で待ってくださいね。」

と言いましたから安希は

「ぼくもうれしいです。じゃあ、校門で待ってます。」

こうして、安希は幸加と一緒に帰るようになり、次の週の練習日から分かれ道の公園まで一緒に歩くようになりました。その道では幸加はテニスのことを話しました。安希は自転車のことなどを話しました。お互い相手の言うことを聞いて、相手のことが少し分かり始めました。2人が一緒に下校する日を繰り返すうちに安希は自分がスカートが好きで買ってお家ではいて寝てることまでも話してしまいました。幸加は、そんな変わった安希のことをわかって、自分が集めているいろんなスカートのことを話してくれました。

話は進んで、幸加は安希を自分のお部屋に来てもらう日を決めて、安希もその日に行くこと了解しました。

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