狐の嫁入り

狐の嫁入りって、狐に化かされたみたいな天気のことをいうと思ってた。


晴れてるのに雨がぱらついて


「狐に化かされとるんやろねぇ」


って言うもんだと思ってた。


でも、由来は違うらしい。


江戸とかそんな時代、嫁入りは夜に行われたらしい。


地方の人たちはどんな人がいつどこに嫁入りするか事前に知っていて、夜にその家に提灯が灯っていたら


「そうか、今日はあそこが嫁入りだったなぁ」


なんてことを思ったらしい。


そんな時代、夜いきなり嫁入りの提灯が灯ることがあって、知らない嫁入りの知らせに人々は驚いたという。


こんな現象を彼らは俺たちが知らない嫁入りということは狐が嫁入りしたんだと言った。


そうして、晴れているはずの空で雨が降ることを狐の嫁入りと呼ぶようになったという説があるらしい。


僕の生活だってそうだ。


快晴で過ごしてきたはずが、いつしかずぶ濡れになってずーっと下を向いている。


見せられる刹那の希望は、絶望への序章に過ぎない。


でも思う。


僕は天気雨の時は少しだけワクワクする。


だって、雨がやんだら虹ができるから。


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