銀河干しそば伝説

キルヒアイス「閣下…!閣下…!、お考え直し下さい!」


ラインハルト「なぜだ!?ビッテンフェルトは乾麺のそばを正しくは干しそばと言ったのだぞ!?罰せられて当然ではないか!」


キルヒアイス「閣下……、怒っておられるのですか?」


ラインハルト「……怒って悪いか!?」


キルヒアイス「私がお聞きしているのは、何に対して怒っておられるのかです。閣下。」


ラインハルト「閣下はよせ。何が言いたいのだキルヒアイス。」


キルヒアイス「では、ラインハルト様。あなたが怒っておられるのは正しくは干しそばだと言われた事に対してですか?」


ラインハルト「しれたこと!」


キルヒアイス「私にはそうは思えません。ラインハルト様のお怒りは本当はあなた自身に向けられているものです。……干しそばという名前を認めたくない自分自身に。」


ラインハルト「…なっ!……っ!」


キルヒアイス「干しそばと言われたことが、そんなに悔しいのですか?」


ラインハルト「悔しいさ!決まっている!素麺、うどん、そして乾麺のそば!なぜ乾麺のそばが干しそばなのだ!」


キルヒアイス「干しそばには干しそばの不満がありましょう。なぜ正しくは干しそばの事を乾麺のそばと言うのかと。

乾麺のそばは全面に流水麺、後背に半生麺と2つの強敵を抱えておいでです。この乾麺の中にまで敵をお作りになりますな!」


ラインハルト「わかった。俺が間違っていた。ビッテンフェルトの罪は問わん。」


キルヒアイス「ありがとうございます。」


ラインハルト「いや、礼を言わなければならないのは俺の方だ。よく言ってくれたキルヒアイス。……キルヒアイス!俺は乾麺を手に入れることができると思うか?」


キルヒアイス「ラインハルト様以外の何者にそれがかないましょう。」

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