スキル「パラレルワールド」で異世界をのんびり過ごしたい。
@ikkyu33
神様的な何か
篠崎亮の意識は、白銀の静寂の中で覚醒した。 目の前には、時の重なりを体現したような老人が一人。その言葉は、亮の魂に直接刻み込まれるように響いた。
「お前は、可能性の境界を歩む者となる」
老人が差し出したのは『パラレルワールド』という名の特異点。 無限に分岐し、並行して進む無数の世界――その境界線を越え、干渉する権能。
「……意味がわからない。俺はただの高校生だ。何かの間違いじゃないのか?」 「間違いではない。お前の魂の深淵に、運命を繋ぎ直したいという飢えがある。それがこの力を呼び寄せた」
老人が指し示した虚空には、無数の「現実」が万華鏡のように映し出されていた。文明が滅んだ世界、魔法が物理法則を凌駕する世界、そして亮が知るはずのない人々の笑顔。 「お前はその右手で、別の世界の理(ことわり)を掴み取ることができる。選び取る未来が希望か絶望かは、お前次第じゃ」
「俺の……願い……」 その答えを見つける間もなく、世界が歪み始めた。 「行け。可能性の荒野へ」
次に肺を満たしたのは、元の世界よりもずっと濃い、魔力を帯びた空気だった。 茫漠とした草原の真ん中で、亮は自分に託されたものの重さを知る。
手の中にあったのは、沈黙を守る古書『パラレルワールド・ナビゲーター』。 それは、彼がもはや「ただの高校生」ではいられないことを冷酷に、かつ優雅に証明していた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます