白蛇の子
白木 春織(しろき はおる)
序章
その起りは、神代の時代に遡る。中央の大王、白蛇を
その道中、蒼き狼の双頭近づき、神に使われせし、と御子らの供を願いでる。狼の力甚だ大きく、見事、一行は、蛮族討ち果たしたる。大王喜びせしめ、錫白姫命を狼の妻に、自身の眷属たる黒鴉、赤牛をこれに与え給ふ。以後、狼の双頭は、蛮族が納めせし「境」の守護を仰せつかる。これ大口国の起源なり。
『
「大物の山にいかん。白蛇の子を花嫁としたまへ」
古の大蛇の鱗から作られたという、鏡を奉る祭壇の
言葉を吐くのは、この国で最も尊き
つまり、その言祝ぎは
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