IVC【加筆修正中】
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第1章
甘い物には裏がある
第1話
私は今、困っている。
え、気付くよね?さすがに気付いてるよね?
スマホ無しでこの現代社会を生きるなんて、ハードモードすぎるもの!もうすぐ慌てて取りに戻って来るよね?
気付いた持ち主がすぐ探しに戻って来るなら、交番に預けると余計に見つけるのに時間がかかるかもしれない。
でも、その間に他の人に拾われて悪用されるとも限らないから放置はできないし……
学校の帰り道、公園の前で悲しげにアスファルトの上に投げ出されたそれを見つけた。
取りに戻って来るまで見張っててあげなきゃ!と謎の正義感が働いたおかげで、私はもう小一時間も家に帰れないでいる。
今朝の星座占い、最下位だから気を付けろとヒロくんに言われたのを思い出す。これの事だったのかも。
さすがに交番に届けようと思って、だけどもう少しで持ち主が現れるかもしれないと思いとどまるのを3回繰り返し、ようやく他人のスマホを握り締めて公園のベンチでじっと座っている自分が、いよいよ馬鹿らしくなってきた。
やっぱりさっさと交番に行くべきだったと腰を上げたその時、
ーーブーッ、ブーッ、ブーッ…
手の中のスマホが震えた。
驚いて手から飛び落ちたスマホを慌ててキャッチして、恐る恐る通話ボタンを押す。
『おいハル!俺のラーメン食ったな!?』
おっと、耳が痛い。
『聞いてんのか!?ちゃんと裏に名前書いてただろーが!』
「……あの、すみません」
『…あ?誰だよ』
どうしよう。何かすっごく柄が悪いんだけど!しかも何やらお怒りのご様子。
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