第13話~質問事項~


次の日、尊に指定されいつもより30分早く学校に行くことになった。

そして俺は、見事に寝坊した。

「尊…遅れてごめん…」

「寝坊だな。夜遅くまで何やってた」

「父さんが結婚したじゃん。家はさ今のままなんだけど、物置にしてた部屋に俺の部屋移動させたり…まぁ広くなったからいいんだけど…」

「…桐流…お前んちなんで部屋を物置にしてるんだ?そして、何部屋物置があるんだ?」

「…物置が2部屋、空き部屋が1部屋…なんか変?」

「いや…お前んちでかいもんな」

「……そこまで広くないよ」

普通の一軒家だし…

「嘘つけ。あっ、今度お前んちに遊びに行っていいか?広いかどうか確かめられるし」

「…!いいね!俺がいるときに来てよ」

「おっけー……で、桐流本題に戻るぞ。なんであの女を家族と認めた?」

「…それは、最初に会った時と雰囲気が全然違かったし、家族なら…しっかり話してできるかなって…まだ義母さんとは呼べないけど…」

義母さんって呼んだら、本当の母さんがいなかったことになりそうだし…

「…そうか…桐流はそう思ったんだな~まぁ俺は相性最悪だったけど、そういや桐流、義理の妹に身長負けたんだって?」

「うっ」

「桐流が148センチで俺が170センチ、義理の妹は?」

「……聞いてないけど160少しないくらいだった」

「10センチも差あるじゃん…ふへっ」

ふへって今笑ったな!?馬鹿にしたな!?

「…笑うな馬鹿無神経尊」

「馬鹿と無神経はひどくない?」

「本当のことだし。俺を馬鹿にした罰だ」

「馬鹿にしてないもん~~~」

あっ、絶対に嘘だ。

「してんだろ、馬鹿阿保屑尊」

「……桐流こそ馬鹿にしてるだろ」

「してません~」

本当はしてるけど……これは尊が悪い。

「ちっ」

「でさ~尊、今何時?」

「ん~?えっと7時45分」

「あと15分もあるの?じゃあ寝る。尊2分前に起こして~」

「はいはい」


俺はほんの少しの時間、お母さんの夢を見た


「…りゅう……桐流!さぼるのか?馬鹿野郎」

「……尊?」

「もう1分前だぞ馬鹿!」

そして頭をペチンとたたかれた。

「いったっ!何!?暴力だ!!!」

「ちげーよ、授業をさぼろうとしている親友を起こそうとしただけです~」

っち、こういうときだけ…!!


キーンコーンカーンコーン


チャイムが鳴った。

担任が入ってきた。

「おーい尊くんチャイムなったよ、席について~」

「っちぇ」

尊は舌打ちしてから自分の席へ戻った。


放課後


「桐流!やっぱ俺あのせんせー嫌いだわ。無理。名前くんづけとか無理。死ね」

「まぁまぁ。死ねなんかいわないの」

「優等生ぶって」

違うよ!!!???いやいや、俺優等生じゃないし??バイト…というか働いてる?し…?

「…それはないと思う…な?」

「…へぇ…じゃあ桐流、今日は俺とオールでゲームしようか」

あ~今日は師匠のところ行きたいしな~

「…今度でいい?ちょっと今日は…」

そういうと思った、という顔で見てきた尊は

「オッケー。アイス1つで許してやるよっ」

といった

「ありがと!!尊~」

そういうと尊は少し、悲しそうな顔をした。


これが、最後の楽しい思い出になるなんて、思うことはなかった。なのに……

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