第81話

しばらくして病室に戻った頃には俺は憔悴し切っていた。



ゴォォ。耳鳴りが激しくなった気がして、俺は左耳を押さえた。





自分ベッドにため息をつきながら座ると、テーブルの上に缶コーヒーが置いてあった。



え?



顔を上げると、同じ銘柄の缶コーヒーを飲んでる仲村譲と白木トモの姿が見えた。




「あの、これ……」




思わずそう言った俺に、2人が振り返った。




「良かったら飲んで」


「ごめんな、俺たちいつも騒がしくて」






そう言って笑った2人。


それがきっかけで俺たちはどんどん仲が良くなった。






「見た事ある気がするんだけど、もしかしてお前S.R.Cにいた……?」


「あぁ、そうだけど。え?お前らも?」


「うん、俺らも病院で始めて喋ったんだけどな」


「じゃあ、CYBER BOXXにお前らも居たのか…!?聖夜は無事か!?」





俺の問いかけに二人は顔を合わせた。





「聖夜失明したって聞いた。詳細は分からないけど、エルフも解散したらしい」





………あまりに衝撃的な事実だった。

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