第76話

フラッシュが俺たちを包み込む。


出演したCMの…、なんだっけ?商品の紹介?





「Jackdowのみなさん、こちらにもお願いします!」


「シドさん、こちらにもお願いします」




俺は、俺たちは、


芸能界というものが、自分たちの肌に合っているのかもわからないくらいに忙しい毎日を送りだして半年以上が経っていた。


いつの間にか高校3年になり、18歳になっていた。





「TATSUYAさん、コメントお願いします」





俺ら3人がメディアの前にいる時は必ず近くにいるのが、元大人気バンドのメンバーのTATSUYAさん。



俺たちのプロデューサーだ。






時間が押してるという事もあり、俺たちは舞台袖に誘導された。






「ガムのCM出たの俺らなのに。なんでTATSUYAさんにコメント求めるんだろ」


「次は何だっけ。…コーヒーのCMだっけ?」




ジョーとハクは、連日の仕事漬けの日々に疲れや不満が溜まっているみたいだ。




「その前に撮影だ」




俺の言葉に「そうだった」と2人が眉根を寄せた。





「なんか、もう、キツイ……」






俺も、2人と同じ気持ちだった。

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