第64話

シドは…?レオは、大丈夫か…?





聖夜はーーー……






パリンッーーー





怒号や罵声が響く中、かん高い何かが割れるような音がした。




聖夜ぁぁ!




誰かが聖夜を呼ぶ声が聞こえた。それに気を取られ、ステージの方に振り返った瞬間だった。




「うっ………」



蹴り飛ばされた俺は、壁に激しく頭を打ち付け床に崩れ落ちた。





「なんだ。白石の弟とかいうからやべーと思ったけど、チョロいわ」




「うぁっ……」




おまけに腹を蹴り上げられて、いよいよピンチだと諦め掛けたが、



隙をついて立ち上がり殴りかかろうとした俺は、


とうとう捕まえられて床に押し付けられ、バッドで腕を折られた。




「ーーーくっ、っ………」





苦しげに息を吐きながらステージのそばを見上げれば、今まさにカイが血だらけで倒れた瞬間だった。




ガツッ。





鈍い音と後頭部の鈍痛を最後に、


俺の世界は闇の中に消えた。

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