第46話

「プロ…なんじゃねぇの?素人?」


「シドって奴といい、アイツといい、…すげー奴らが現れたな、ハル」




嫉妬とか羨望とか通り越して、俺はレオというアーティストに惚れ込んでしまったんだと思う。





そんな人間は俺だけじゃなかった。多くの人がそうだったようだ。





レオと、それからシド。


狂ったみたいに暴れるガキ。獣みたいに喧嘩が強いとチーマーには煙たがられ、



歌や楽器はプロ級だとバンドマンには僻まれたり羨ましがられたり。



2人の噂はすぐに広まった。




彗星の如く現れた謎のスーパールーキー。






良く思わない奴らがいないわけがなかった。







だけど、レオとシドはそれぞれ、



そんな奴らを次々に返り討ちにしたらしい。





そんな中も涙もない、天才のロクデナシを、



聖夜はもの凄く気に掛けているようだった。




はじめは聖夜に絡まれて頭をくしゃくしゃに撫でられたりする手を振り払ったり、


遠目でみても、あーァ?不器用な奴らなんだな?と思っていた俺だった。



だけど、俺が聖夜でも多分同じようにアイツらに構ったと思う。

なんだかほっといたらいけないような、そんな感じがするんだ。





「セイヤ」




だから、たまに見るアイツらがライブで聖夜の名前を呼び話し掛けてる姿を見たときは、



なんとなく、俺まで微笑んでしまった。

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