キミが好きなのは、私だけど私じゃない。
みゅう
第一章 仲良くなるために必要な事。
第1話(1) 凸と凹が噛み合えば。
「――キミに伝えたい事がたくさんあるんだ」
私は、叫ぶように/
それは気持ちの
………………。
…………。
……。
高校入学から一週間。私は
その原因は明らかに私にあった。
私は昔から、思っている事を口にするのが苦手だった。
考え過ぎてしまったり思考が遅かったりタイミングを取るのが
詰んだという表現を思わず
クラスメイトはいい人ばかりで、向こうから
とはいえ、いつまでもこのままというわけにはいかない。出来るだけ早い内にクラスの中で会話が出来るお友達を作らなければ……。そうしないと、下手をすれば三年間モノクロの学校生活を送る事になってしまう。
――そんな決意はどこに言ったのか、何もアクションを起こせないまま今日も学校生活が終わってしまう。
帰りのホームルームも終わり、クラスメイトが
結局今日も、まともにクラスメイトと会話をする事が出来なかった。
朝の意気込みはどこに行ったというのか。
心優しきクラスメイト達がしてくれる挨拶にそれぞれ「ごきげんよう」と笑顔で言葉を返しながら、私は心の中で大きな
変わらなければと思ってはいるが、実際にそれを実行する事が出来ない。
まったく、我ながら難儀な性格をしているものだ。
「どうやらその様子だと、今日も上手く行かなかったみたいだね」
数メートル先、
彼女の名前は
「そんな簡単に言ったら苦労はしない」
簡単に出来ないからこそ私は悩んでいるわけで、簡単に出来たらそもそも悩んで
「行動を起こさなければ、いつまで立っても何も変わらないよ」
私の隣に並び、悠がそんな事を言う。
分かってはいる。分かってはいるけど……。
二人で廊下を歩く。
私達はまだ部活に所属していないので、後は帰るだけだ。
中学時代、私は陸上部に所属していた。選んだ理由は個人競技だから。その理由なら水泳部でも良さそうなものだが、陸上部の方が色々な面で競技がしやすかったのでそちらを選んだ。やはり水着に着替えてプールに入る分、前者の方が少なくとも私にとっては
何もなければ、今のところ高校も陸上部に入るつもりでいるが、果たして……。
ちなみに、悠は中学時代バスケ部だった。学校の中では一番上手く、まさにエースの活躍を見せていた。チーム自体が強くなかった事もあり結果は
「悠は高校でもバスケ部に入るの?」
「どうだろう。考え中」
「え?」
驚いた。あんなに
私からしてみれば、バスケをしている時の悠の動きはまさに神技で、
「中学の時
そう言って悠は、苦笑をその顔に浮かべた。
「斗万里は? やっぱり陸上部?」
「とりあえず、第一希望ではある。運動部に入るなら、そこしかないかなって」
もちろん、入らないという
「部活入ったら友達出来るかもよ」
「うっ」
確かに、共通の話題が出来れば、
「もうすぐ仮入部期間だし、考えとくよ」
「
私達のように強い
思えば、中学の時は私も大変だったな。背が高いからバレーにバスケと見て周ったけど結局しっくりこず、他の球技も試したがやはりダメで、最終的に行き着いたのが陸上部だった。個人競技
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