第4話

「薫、一哉君と幼馴染だなんて反則だよ!」

 薫は他の女の子達からそう言われていた。

 そう言われても仕方がないかもしれない。

 いっちゃんはそこらの芸能人なんか裸足で逃げ出すぐらいの超イケメンだ。

 中学3年の時、いっちゃんは芸能界にスカウトされている。

 もしも心臓さえ悪くなかったら、今頃はデビューを果たして人気スターになっていたのに違いない。

「薫、また間違えてるぞ」

 今は、一哉と今日の宿題を一緒にしている。

 これも毎日の日課だ。

 小学校の時から続いている。

 一哉の家の居間のテーブルは勉強出来るように広くなっている。

「えー。何処?」

「問3」

「分からないよー」

 薫は頭に手を当てている。

 今は苦手な数学をやっている。

「数字見たら頭痛くなる」

 一哉は思わず笑った。

「いいか。まずここの公式を…… 」

 一哉は問題の説明を始めた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る