「今夜はあなたに塩を送るわ」

　彼女の心遣いがありがたくて、涙が溢れてきた。

　私なりに一大決心をして、翔太様とこうしてお近づきになれたことはもちろん嬉しいけど、これもあの姉妹の姫様たちあってのことで、彼女たちには感謝しかない。

　それに、彼女たちとも仲良くなれたことが、この上なく嬉しい。

　雅姫のメッセージに背中を押された私は、勇気を奮い起こして、溢れる嬉し涙をぬぐいながら、自分から話題を変えた。

「ねえ、翔太様。以前、私が添伏≪そいぶし≫をした時…」

「ん、何？」

「翔太様は、こういうことは、王家とか国のためとかではなく、自分がしたいと思ってするものだって言ってくれたよね」

「はい、言いましたけど？」

「今、私は、翔太様と、したい」

「え、でも、あの時から一度も会っていないのに？　もしかして、会えない時間が愛育てるのさ、ってやつ？」

「うん、そういうことかな」

　この一か月の間、彼を思って毎日妄想を繰り返した結果、私の中で「彼としたい」という気持ちが十分醸成されていた。

　私は立ち上がると、肩にかけていたジャージを外し、下着一枚だけの姿になった。

　翔太様は、テーブルを回って私に近づくと、優しく抱きしめて、キスをしてくれた。

　それだけでもう夢見心地の私は、翔太様にひょいっとお姫様抱っこされ、寝室に運ばれた。

　翔太様は、私を優しくベッドに横臥させると、先刻どうしても脱げなかった私の最後の一枚を難なく両の足から抜き取り、私は彼の前で、生まれたままの姿になった。

　翔太様も全裸になってベッドに上がってきた。いよいよだと思うと、胸の動悸が止まらない。

　添伏≪そいぶし≫の時はびっくりして彼を突き飛ばしてしまったけど、この一か月間、あの夜の彼を思い出しながらのイメージトレーニングを積んできたので、もう大丈夫だ。

　（後で知ったが、私がしてきたイメトレのことを、一般的に、自慰とか、マスターなんとかとか、いうのだそうだ）

　彼が私を抱きしめながら「大丈夫」と聞いてきた。

「うん、大丈夫だよ、ほら」

　私が彼の大きくなったものに触れてみせると、彼も私の十分に潤った部分に指を這わせてきた。

「あんっ」

　その感触は、私の指とは全然違う、桁違いの気持ちよさで、それだけで私は頭の中が真っ白になってしまった。

　彼の指使いにあわせ、私の口から、自分が発しているとは思えないような変な声が漏れ続けている。もう何も考えられない。今、自分がどうなってしまっているのかもわからない。私はただただ、彼に身を任せることしかできなかった。　

「姫様…」

　彼が私の耳元で囁きながら、彼が私の両の足を開かせた。

　破瓜≪はか≫の痛みはあったけど、やがてそれに勝る快感が押し寄せて来た。

　こうして、私は、遅まきながら、ようやく、女の子を卒業した。