感謝感激雨霰

 雨霰あめあられ、漢字で書くと少し怖い気がした。

雨あられ、と平仮名で書くぶんには、かわいい言葉のように思えるのに・・・・・・。

これは平仮名の柔らかさや温かさが、怖さから遠ざけてくれていたのかな。


 そもそも霰とは、直径5㎜未満の氷つぶを指す言葉らしい。

もちろん空から降ってくるもの限定だ。

同じく空から降ってくるものに、ひょうみぞれがある。

ひょうみぞれあられと並べると、やはりあられという言葉がいちばん穏やかな気がする。

沢山降ってくるものにたいして、〇〇ひょう、なんていうと激しく荒れている感じがするし、〇〇みぞれ、というとべちゃりとしていて湿った感じがする。

〇〇あられ、がやはりしっくりくる。華やかな気さえしてくる。


 あられ、雨のように散らばるから、霰なのだろうか?

パラパラと散らばる様子を想像すると、この霰という字も美しく、かわいいように思えてきた。




 そういえばこの、感謝感激雨霰というのは、何か元になった言葉があるのだろうか?

あった。

日露戦争の後半、日本海軍とロシア海軍が繰り広げた戦闘を、メディアが報道した際に用いたフレーズ『乱射乱撃雨霰』が元ネタらしい。

霰よりも何倍も怖かった。


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おしゃべり 風鈴花散 @be-notgoneit-the

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