第7話
「門番の依頼を達成し、戻ってみたらなぜか先生が床に倒れている。何があったんだろう、遮音結界で声が全く聞こえなかった。中で何を話し合っていたのだろう。
先生が倒れている理由·····もしや先生は死んでいる? いや、泣いてはいないけど、泣いてるみたいな声が聞こえる。じゃあ生きているってこと。先生は秘密ことが多すぎるから先生が何を考えてるかわからない。いつも教えてって言ってるのに教えてくれない先生が悪い。
いや違う。今はそこじゃない。なんで先生が倒れてるかそれが重要。そこが気になるんだ。先生に対する文句は散々言ってきたからそこじゃない」
「圧倒的感謝を·····」
「圧倒的感謝?。その言葉の意味はなんだろう。嬉しいことがあった? そうだと思う。そうじゃなきゃ感謝なんて言葉は使わない。いやでも、先生はいつもありがとうって言ってる。感謝はいつものこと。じゃあどういう意味なんだろう。
そうだ、前提として去っていくナナ僧侶長の姿を思い出そう。ナナ僧侶長も掴みどころがないお方。先生と同じ隠し事がある人。だから、自分の行動で察せられないよう表情や動きを徹底的に隠している。それが私が見て感じたナナ僧侶長。
それならば、あの去り際の姿はなんだったんだろう。ナナ僧侶長の去り際は·····。いつもより歩きが速く見えた、表情が嬉しそうに見えた。この事から考えてナナ僧侶長自信にも嬉しいことが起きたとするならば、なぜ先生は床に倒れているのだろう?」
はっ! あまりの歓喜に気絶していた。ん? ラウェン僧侶·····戻ってきていたのか。頬を両手で覆っている·····これはラウェン僧侶が深く考え込んでいるときの姿。何か凄い事を考えてるのかもしれないな。これは邪魔してはならないなぁ。
この集中を邪魔してはならないな!。
◇
「だから·····となるなるならば。ナナ僧侶長の去り際の姿、そして床に倒れた先生。このことから考えられるのは! 先生! 呪われて魔物になってしまったこと許されたのですね。あれ」
上手く焼けました!。うんうんこの良い匂い·····成功の表れでしょう!。 できるならば、マギー様には焼きたてを食べて欲しいですよねぇー。本性のある容器に入れてお届けしましょう!。ですが、この姿·····ナナ僧侶長が頑張ってくれるとは言え、認めてもらえるまでは日と時間がかかるでしょう·····。ナナ僧侶長はああ言ってくれてましたが、やはり責任は私です。
とりあえず、今回はマギー様の不在の隙に焼きたてのオレンジのタルトをお届けするとしましょう!。
「先生·····?」 とラウェン僧侶の声が聞こえた。おや? 熟考時間は終わったようですね。ラウェンの表情、答えを導き出せたようですね。一体何について考えていたんでしょうね。考える事はとても素晴らしいことですからね。
「先生·····私の出した答え·····。そしてなぜオレンジのタルトを持っているのですか?」
「答え? ラウェン僧侶の導き出した答えは(考え抜いた末導き出したのだから)正解です」
「合ってた····」 ラウェンは嬉しそうな表情を浮かべた。私も嬉しいです。答えが何についての答えかは分かりませんが正解とは複数あるから正解ですからね。ラウェンの導き出したそれもまた正解なんでしょう。
呪われた僧侶 ルルル @kakuyom_333
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