第5-3話 田畑静雄と高橋美夏は新幹線内で

 美夏は完全に顔を伏せながら必死で声を殺していたが、幾ら田舎者でも妻帯者である静雄の巧みな指の動きに彼女の身体は時折ビクビクと震わせて感じさせていた。


「もうこれ以上はダメですよ。お願いです。止めて下さい!  今、逝ったばかりなんですから!」と女の顔になって静雄を見詰めながら美夏が言った。彼はそんな彼女の言葉などは関係なくストッキングとショーツの上から圧を掛けて弄っていると、彼女は着ていたスーツの上着を脱ぎ、それで彼の手を隠した。


「やっぱり、静雄さんはお上手でしたね?」

「当だり前だよ、オラは大人の男だはんでだからおなご女性の身体はおべ尽ぐすてらはんで全て知り尽くしているからね


 また美夏は半分方言をバカにしたようにふざけて「どういう意味ですか? 意味が分かりませんが?」とwいながら。


「当たり前だよ、オラは大人の男だから、女性の身体は全て知り尽くしているからね」となまった標準語で言った。


 美夏は息を荒げていた。完全にスイッチが入った静雄は彼女の上着で手を覆われていたのを良い事に彼女のスカートを完全に捲り上げて、ストッキングとショーツのゴムの中に手を這わせたが、ゴムが固くて中々、辿り付けなかった。


「美夏ぢゃん、尻上げで!」と言うと彼女は少しだけ腰を上げて腹ゴムを緩くした。彼の手首が自由になった器用な指先で愛撫をしているとショーツを濡らし冷たくしていた。


 更に静雄は手淫を繰り返していると美夏は身体を痙攣させていて、「こんな所で……」と小声で言いながら彼の目を見詰めていたので黙ってまたキスをした。


 美夏のそこはピチャピチャと水気を含んだ音がし出したので、さすがに彼も二つの席を挟んだ後ろの女性が気になり、農作業で日に焼けた太くてゴツゴツした中指を静かに中に差し込みゆっくりと抽送した。もう彼女は完全に目を閉じて体全身で感じまくっている様子で顔は不自然に窓に向けていた。


 美夏は静雄の耳元で掠れた声で喘いだ。彼女の荒くなっていた息遣いが彼の耳の傍で聞こえ当然の事ながら彼も同様に興奮していた。彼女は彼の下半身に置いた手を前後に摩っていた。彼の左手はいつの間にかブラの下から愛撫して、先を軽く摘まむと彼女は可愛い声で啼き身体を痙攣させた。


 その後の美夏は「静雄さん、ダメッ! 逝っちゃう!」と言った後に、身体を再度、激しく硬直させた。彼女は息を荒げていたが彼の腕を強く握り、「静雄さんが欲しい!」と彼の耳元で囁いた。


「オラも美夏ぢゃんが欲すい!」と言うと、美夏は早口で、「新大阪で降りてホテルに行きませんか?」と彼女の方から大胆に誘ったので彼も「うん、行ぐべ行こう」と言った。こんな積極的になった事などなかった美夏は驚いていた。

 

暫くすると電車内のアナウンスが流れて、もう直ぐ新大阪に着くみたいだったので、静雄は美夏から手を離して彼女の服を整えさせて彼は言った。


「明日、結婚式で親戚連中どは別にわーだ私だけ、新大阪ステーションホテルに予約すてらはんでしてあるんで、今日はそのホテルさ泊まらねぐぢゃいげねはんで泊まるから丁度えがったよ丁度よかったよ」と言った。


「新大阪ステーションホテルは駅の直ぐ近くですよ」と美夏。


 二人で改札を出て、ドラッグストアに向かい、スキンと飲み物や食べ物を買いその後、ホテルに向かい彼女には少し離れて待ってもらい、チェックインして部屋に入った。


 フロントでチェックインをしながら、少し離れた所に居る美夏を見ると、近くで見ていた姿も良かったが立っている姿がまた美しく彼は興奮した。


 ハイヒールに膝上のピチピチのタイトスカート、ジャケットを羽織り、大きく胸を開いた白のブラウスには黒のブラがしっかり透けていて、豊かなバストが大きく盛り上がって見えた。


 身体のラインが良く出ていて、若さゆえの初々しさが見て取れ、静雄はもう一回頬を抓ると痛かったので「夢じゃない!」と思っていると、彼女は離れた所からまた彼を見て、彼女自身も頬を抓っていて彼もwうと、フロントの女性スタッフが「お客様、何か!?」と言った。


「いえ、なもかもね何でもないです、思い出すwいですた。かにな申し訳なかったですね」と言った。


 チェックインを済まして彼女を手招きして荷物を持って部屋に向かった。エレベーターの中で美夏は真っ赤な顔をして静雄の腕にしっかり回して恍惚の顔をしていた。部屋に入ると彼女は恥ずかしそうに彼を見ながら、自分から両手を彼の首に回した。


「もう~、ホントに信じられないのですけど私、こんな事になったのは人生で初めてですからね!」

「オラだってこったこんなの初めでだす」

「今日はもう二回も頬さ抓って見だぐらいだはんでさだからさ

「さっき、フロントで抓っていましたよね? 私も抓ったのを見て笑っていたでしょ?」


「美夏ぢゃんも同ずように頬さ抓ってあったの見だっきゃそりゃぁ笑うびょん笑うのは仕方ないよ、それにめごぐで可愛くてあったはんで余計だよ、フロントの姉っちゃに嫌な顔されでまったはんで、謝ったげどね」

「私ね、静雄さんを初めて電車の中で見た時に好みのタイプだって思ったの、いい男だって!」

「そったらに褒めねでも大丈夫だよ、ちゃんと気持ぢ良ぐすて上げるはんで気持ち良くさせて上げるからさ」と言って抱き寄せてキスをした。


「本当なんだから……」と言いながら、そのまま蕩けるように舌を絡めたディープキスをした。


 互いに舌を外に出して絡め合い、重ね合い、吸い合いながら彼は彼女のストッキングとショーツを下げ激しく責めると、 彼女はキスをした後に両手で彼のスラックスとトランクスを一気に下ろし彼を弄り始めた。美夏の荒くなった息遣いがハァ、ハァ、ハァと聞こえて来て静雄も興奮していった。


「電車の中でスラックスの上から触っていたけど、本当に太くて大きくて硬くて久しぶりなの。見るのが」

「彼のは最近、見でねのがな?見てないのかな?

「口だけの婚約はしているんだけど出張の後に転勤になって二年も逢ってないから」

「そうだったんだね、可愛そうに、だったら今日は思いっ切りオラが楽すまへで上げるはんでね俺が楽しませて上げるからね


 その後の二人は朝まで激しく交わっていった。夜中に美夏がトイレに行こうとすると、腰が立たなくて這って行った。そんなに激しくされた事のなかった彼女は驚きを隠せなかったし、静雄の妻の事が羨ましく思っていた。


 朝起きて二人はシャワーを浴びて着替え朝食に向かった。その時にも、また東京で逢ってどこでデートするなど、今後の事を楽しく話した。静雄と美夏にとって生涯、忘れられない一日となった事は言うまでもなかった。


 そして美夏は婚約者の彼には内緒で静雄と彼女が四十五歳になるまでの間の十年間、不倫関係が続いた。



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