第129話

「藍川先輩!」




「龍さん!」




2人で廊下を歩いているとわらわらと人が集まって来る。龍の人望なのか慕われている。




張本人の龍は、仏頂面で後輩たちを睨んでいる。珍しいな、龍がこんな顔するなんて。




「なに、機嫌悪いの?」




後輩たちが居なくなった静かな廊下で龍に尋ねると溜息をつきながら答えてくれた。




「あいつ、両サイド刈り上げてあった男いるだろ?」




その言葉に僕たち睨みながら、いや正確には僕を睨みながら龍に纏わり付いてた男を思い起こす。





「あいつ真島慎太郎っていって、ヤクザの息子なんだ。なんでか知らねえけど俺を気に入ってるみたいで何かとくっついてくる。」




真島慎太郎。確か、結弦と同じ学年で小学校も一緒だったな。昔からいい噂は聞かなかった。




「んでよ、俺と伊織が一緒にいるのが気に入らねぇらしくてよ。さっきも睨んでたろ?」




はぁと溜め息をつきめんどくさそうな顔をする。




割とフランクな関係を築く龍のには珍しい反応だ、





「あいつ悪い奴では無いんだけど人を見下してる所があって同級生も虐めてるみたいなんだ。なによりも伊織を睨みやがって。」




腹立つなーとボヤく。あの目は僕を見下す目だった。

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