第86話

「どの女があの聖夜とかいう男の女だったかも思い出せない。ただ、誘ったのはおれかもしれないが乗ってきたのはあっちだ。」




いつもみたいにヘラヘラなんてしていない




キッと男たちを睨みながら言葉を放っている




「男が情けねないから浮気されんじゃねえの?

親の力で威張ってる男なんてたかが知れてる。

女取られて悔しいなら1人で来いよ。

親父や兄貴を巻き込んでんじゃねえ。」




蓮の言葉は最もだ




丁度言い終えた時にガラッと襖が開き、当事者である男、聖夜が入ってきた




「・・・。」




俯いたまま何も言わない聖夜




「・・・。」




蓮の言葉で静寂に包まれていた空間に笑い声が響く




「くっはっはっ。

聖夜、お前の完全な負けじゃねえか。

こいつお前の女がどれかも知らねぇんだとよ。

名前教えてやれよ。」




組長である男が笑いながら聖夜に話しかける




聖夜は悔しそうに奥歯を噛み締めながら小さく呟く




「・・・優奈。」

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