第29話

「行くよ、響。」




父さんにビビってか何も言わず固まっている部長




これだけ騒いだせいか、いつの間にか周りからも注目を集めていた




「ストップ。

俺の会社を潰すって?」




いつから聞いていたのかアレックスさんが声を張り上げながら近づいてきた




やばい、冷や汗が全身を駆け巡る




父さんの目の前に立つアレックスさん




「あっ、あの、」




俺が話しかけようとしたがそんなの聞こえてないように父さんを睨む




周囲も険悪な雰囲気を感じてかざわつき出す





「ああ。お前だって分かってるだろ?

こんなレベルの低い会社潰れて当然だろ。

それとも、これがお前のやり方なのか。」




普段とは別人のように好戦的だ




「・・・っくっくく。

相変わらずだね、天煜。」




突然笑い出すアレックスさんに驚く




「ああ、お前もな。アレックス。」




当然のようにそう返す父さんに混乱する




知り合いなのか?




「抱きついていい?

やっと会えたよ、日本に来た甲斐があった。」




父さんに抱きつき本当に嬉しそうに笑うアレックスさん




本社で見たアレックスさんだ

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