第36話

するとどこからか


?『よくやった、深雪』


と実に高貴な声が響いてきた


神様……?


私がつられるように

顔を上げると


スゥッ……と

政樹の姿が薄くなった


私は思わず彼の手をとる


でもまもなく

その手も消えた


風に吹かれる

砂のように


深雪「政樹……?」


私は涙に濡れる目で

必死に辺りを捜す


でも彼の姿はどこにもなく

ただ1つの穴が

目の前に残るばかりだった

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