第29話

と思った途端


政樹『信じたかったよ、深雪』


政樹『お前なんか最低だ』


政樹『涼子の方が

よっぽどかわいいよ!』


怒気を含んだ声に変わった


……耳が、心が痛い……


どの顔も

みんな私を睨んでいる


違う

政樹は決して怒らなかった

私の前では絶対


でもみんな

政樹の本当の気持ちかもしれない


私の手が

じっとり汗ばんでくる


わからない

わからなくなってきた


ダメだ

全然わからない……!

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