第62話

そうして、あと少しで沙紀が俺に触れようとした時だった。



「ドア開けっ放しで誰もいねーのかぁ?






...誰だテメェ。」





智尋は俺と沙紀を交互に見た後、状況を悟ったのか機嫌が悪そうに近づいてきた。



バンッ



「ここは部外者立ち入り禁止だ。」



壁を勢いよく叩くと、いつもよりも低い声で沙紀を威圧した。



「ひぃっ、し、失礼しましたっ。」



怖気付いたのか沙紀は俺のことを一切見る事なく、そそくさと部屋を出て行った。



「ダッセーなぁ、女相手に。」



「ハァハァ...。」



震えが止まらない。



息できないよ。


ダ レ カ タ ス ケ テ



「クソッ。



俺にはどーする事もできねーぞ。」




バタンッ


意識朦朧とする中、勢いよくドアが閉められたのが分かった。



「ハァ...った、すけて、」



雅...。

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