第58話

「無理だーー!接客に専念するなんてできねぇ!」



さっきの会話から10分後のことだった。



「な、何事?」



お客さんのも突然の大声にびっくりしたらしい。



「失礼いたしましたお嬢様。すぐに鎮め(沈め)ますので。」



「全然気にしてないから大丈夫です!」



「ありがとうございます。」



(()の中の言葉で聞こえたのは私だけではないだろう。)



「奏くんどうしたの?お客様がいるのに大声あげて。」



「だってよー...。




雅が視界に入って集中できねーんだよ!」



「奏、うるさい。」



俺が近づき、そう発すると



「いつもの雅だー!」



「だから静かにしろ。」



「すみません。ごめんなさい。もううるさくしません。」



奏に対して少し殺気を出すとすぐに大人しくなった。



「俺にはあんな笑顔向けたことないくせに。なんでだよ。ずりぃよ。俺もお客としてこの店に来てやる。絶対明日来てやる。くそぅ。」


ネチネチ小言を発していたが、静かになったのでとりあえず良しとする。



「俺、そろそろ上がるから後は頑張って。」



「「「っはい!」」」



女子たちの声がやけに揃っていたな...?


まぁいいや。奏と絡むとまた時間を無駄にするからさっさと出ていくとしよう。





数分後、


「あれ!?雅がいない!!」



「さっき時間だからって上がったよ?」



「なんだってー!?俺の知らぬ間にー!」



「さっさと仕事に戻ってください。」



「...はい。」



(ご愁傷様です。)

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