第27話

「ごちそうさま。」




雅はアイスを食べ終わると、唇をひとなめしてこちらを向いた。



そんな雅の姿は妖艶で、月夜の元に美しいという言葉が似合う。




「...まだいじけてんの?」




「いじけてないし。」




少しイラっとした俺は思わず瞬間的に言い返す。



それに、俺がそんなにチョコ味を食べたくないの分かってて、自然に取り上げたりしてさ。




サラッと何でもこなしちゃうのもムカつく。









「ふふっ、帰ろう。」





雅は低いコンクリートの塀から腰をあげるとそう言った。





「...なに笑ってんのさ。」





「こんなレオ見たこと無いなと思ってさ。」





「...。」





確かにこんなこと初めてだ。



まだ、雅に嫌がられるだけならいいとして、それに他のやつが便乗するのが嫌だったんた。




結局、俺は雅が他のやつにとられそうですごく怖いんだ。






「...ねぇ。」





「ん?」





「雅、俺と付き合って?」





「...は?」





それなら、もういっその事他の奴にとられる前に捕まえちゃえばいいんじゃないかな?

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