第18話 チー牛一択の男
私と二兎はよく牛丼屋に行く。
二兎は必ず
「やっぱ俺みたいなやつはチー牛一択だよな♪」
と言ってチーズ牛丼を食べる。
私にはよくわからない理論だが、今日も同じようにチーズ牛丼を頼んでいた。
「やっぱこれが一番美味いわ〜」
二兎は本当においしそうにごはんを食べるのが上手だな...そんなことを思いながら二兎の顔を見ていると、
「おい、何見とれてるんだよ、照れるだろ〜」
と言ってきたので
「見とれてなんかいません!」
と慌てて答えながら自分の牛丼をかきこんだ。
おいし〜♡やっぱり大盛りにして正解だったな♡
お腹もいっぱいになって二人で店を出る。
二兎にしては珍しく本当に牛丼を奢ってくれた。
でもガチャガチャ代返してもらったわけじゃないから、やっぱり私が払ったようなものかもしれないけど ...。
そんなことをぐるぐる考えていたら二兎が
「はぁ、なんかお腹いっぱいになったらめちゃくちゃ眠いわ〜。帰ったら昼寝しねぇ?」
と言ってきた。
いや、さっきまで大事な話してたよね?
こいつ、もしかして有耶無耶にしようとしてないか...?
しかし眠いのは非常にわかる、私も今めちゃくちゃ眠い...。
いや、でも。
「たしかに私も眠いけど、昨日の夜みたいに二兎が勝手にいなくなったら嫌だし、話の続き最後まで聞かせなさい!!!」
「え〜、もうそんなことしないからさ、頼むよ5分だけでもいいから寝かせてくれよ〜!俺のこと見張ってていいからさ〜!」
「見張ってたら私は起きてなきゃいけないでしょ。そんなのずるい、私だって昼寝したい!」
「そしたら交代で5分ずつ寝るっていうのはどう?」
「二兎に見張られているうえに5分だけしか寝られないのって、もはや罰ゲームじゃない?」
「俺は愛の寝顔ならいくらでも見ててあげられるのに、そりゃひどいぜ〜!」
そんなくだらない話をしていたらあっという間にまた二兎の家の前まで戻ってきてしまった。
どうしよう、結局昼寝をするかしないかの結論が出てない。
「愛、とりあえず、また俺んち来るよね?」
「え?うん。そうだね。」
「しょうがねぇからお前が先に寝ていいぞ〜、5分経ったら起こしてやるからさ☆」
二兎の中ではもう昼寝することが決定してた...。
二兎の部屋に二人で戻ると、当然のようにベッドに促される。
「ほら!別に臭くないから!」
布団をめくってぽんぽんしている二兎。
なんなのこの状況...。
しかし私は眠気に負けてベッドに入ってしまった。
はぁ、ふわふわのおふとん最高...!
ふと横を見ると二兎がニヤニヤしながら私を見ていた。
「何見てんのよ!」
「いや、添い寝してあげようかな〜と思って」
「絶対にやめて!ちゃんとに5分経ったら起こしてね!」
「おぅおぅ、まぁとりあえずおやすみ〜!」
結局私はその後すぐに寝てしまったのだった。
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