第11話 ヴァースとルイマ

「…解ってもらえるかしら?」

「…説明されてもいないので解らないわ…」

「じゃあ、説明するけどね、いい?

ブレムは本当の自分の名前が解らないの。」

「…どうして?…」

「……つまり、ブレムは……

Grand of the birthday ―グランドオブザバースデー―」

「?」

「…大地そのものなの、あのこ。だから、もともと名前とかなかったの。そうよ、私がブレムにブレムをプレゼントしたんだからねっ… ! 」


ヴァースは目を見開いた。


驚愕。

大地そのもの。

名前などなかった――――――………


冗談じゃないのか?


そんなん、ブレムが壊れてしまうだろう。

それでもブレムはブレムだ。


念には念を押して、ルイマは告げた。


「…そうゆう運命を、私は変えてあげたい。

私はルイマ。だって、ブレムの幼馴染みだから 」

そう伝えると、地中船の隅椅子に座り、片手に頬杖、窓から景色を眺め始め一息としました。


ヴァースは、そんなルイマを不思議そうに、ポカーンと、見つめるのでした。


「おい、どうした二人 !」

「…ブレム。」

「ん? なんだヴァース。」

「…今、傷心。貴方に抱きつきたい…。」

「俺?」


『『あの子、わかってない、悔しい~ (涙)』』






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