第37話【今年の抱負】ト【日の出】
本日7月31日は萌香の誕生日。3人は某有名なカラオケ店の一室で誕生日パーティーを開いていた。
完全ではないけど個室感があり、多少の大声で盛り上がってもカラオケ店だからこそある程度(犯罪ではない限り)は許される空間。
何よりソフトドリンクやアイス等利用時間を支払えば無料でサービスしている。加えて飲食の持ち込みも可能であるときた。
別に歌わず、BGMとして好きな曲を入れて楽しめばいいし、カラオケの機種と曲によるが本人が歌っている映像だって観れるのでカラオケ店は利用者の使い方とその時のシチュエーションで考えるととてもコスパが良いと
部屋に入って早々にコンビニで購入したショートケーキを食べた。火気厳禁の為蝋燭は無いし、クラッカーも用意していない。
お店の迷惑にならないように2人で考えた。物足りないかもと真珠星は不安を抱きながら【本日の主役】と太く大文字で書かれたタスキを体に着けた萌香の反応を見る。
真珠星の不安を拭うように全くといいほど気にせず、ポリポリといちご味のポッキーを食べつつ委員長と談笑している姿にほっと胸を撫でおろす。
1時間半ばかり歌ったところで萌香は2人から誕生日プレゼントを受け取った。その場で早速プレゼント袋を開ける。
委員長からは白熊が描かれた冷感タオルに汗拭きシート等暑さ対策グッズ。
真珠星からは縦型の淡いピンク色の生地で作られた携帯電話収納マルチバックと白ブチのUVカットのサングラスだ。
萌香「わぁ。2人ともありがとう〜!大事に使うね!」
委員長「えぇ。」
真珠星「うん。萌香、サングラスかけてみてよ」
萌香「似合う?」
真珠星「まぁまぁ。かな(笑)」
萌香「そんなことないでしょ〜」
萌香はカバンから折りたたみ式のレモンの絵柄が上下左右バラバラに散りばめられた手鏡を取り出して自分の顔を写し確認する。
萌香「ちょっとだけ、大きいのかな?委員長はどう思う?」
隣に座る委員長に見えるように顔を向ける。
委員長「似合っているけど、言われてみれば大きいかも……でも気にするほどでもないわ」
萌香「そっか。ありがとう、真珠星」
真珠星は頷きオレンジジュースを飲んだ。
委員長「
真珠星からマイクを差し出され受け取った萌香は、口元へ持っていき声をマイクにのせ、
萌香「もちろん!彼氏を作ることだよ!!」
と宣言するのだった。
____________________
体が重く寝苦しいと感じて目が覚めた。カーテンの隙間から太陽の光が射している。
冷房のタイマーはとっくに切れていて部屋の中が蒸し暑い。
ベッドから起きあがろうとしたが、体がまだ重い。目線を足元に向けると––––。
妹の
大神「(お前か、原因!?)」
心の中でツッコミを入れる。おそらく夜中起きてトイレへ行った帰り、自分の部屋に戻らず大神(天河)の部屋に入りベッドで眠る大神の上に乗ったに違いない。
大神は小真莉を起こさないようにそっと抱え、小真莉の部屋のベッドまで運ぶ。
その時ふと壁にかけられた時計に目をやると朝の4時半前、ちょうど日の出したばかりの時間だ。
大神「(あと1時間半くらいは寝れそうやな。小真莉起きてきたらうるさいから早よ自分の部屋帰ろう)」
また心の中で呟き静かに部屋のドアを閉めた。
37話End
お題【今年の抱負】25‘1/3
【日の出】25‘1/4
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます