第26話 水瀬愛理の想いは一方通行です ACT4
「ねぇ、水瀬さん」
繭ちゃんが私に声をかけてくる。
私はそんな繭ちゃんを見ると彼女はにっこりと微笑んだのだ。その笑顔はすごく可愛くて思わず見とれてしまうほどだった。
ああもう本当にこの子可愛いな! なんでこんなに可愛い子が先輩の事好きになったんだろう? あ~もうまただ私ったらなんでこんな事ばかり考えているんだ! もういい加減にしないと……ああでもやっぱり考えてしまうよぉぉ~! それからしばらく私たちは他愛もない話をして過ごしたのだった。そして時間は過ぎていく。そろそろ帰らないといけない時間になったので、私たちはファミレスを後にしたのだった。
「水瀬さん今日はありがとう」
繭ちゃんは私にそう言うとニコット笑うのだった。私はそんな繭ちゃんを見ながら心の中で呟いたのだった。
ああ、結局何も言えなかったな私……まぁでもこれでよかったのかもね……うんきっとそうだ! だってもし私が手を組もうなんて言ったとしても、きっとうまくいかなかったから……だからこれでいいんだ。
それにさ、やっぱりこういうのは本人同士じゃないとうまくいかないと思うんだよね! うんうん、だからこれでよかったんだよ。
私はそう自分に言い聞かせると、先輩の後をついていったのだった。
「先輩」
「なんだ?」
「あのぉ……」
ああもう私ったらまた! なんでこんな事ばかり考えてしまうんだよぉ~! もう本当にいい加減にしてよ私の脳みそぉぉ!! あ~もぉおおおお!! なんでこうなっちゃうの? おかしいって絶対! でもさ、やっぱり気になってしまうんだよね。だって……好きなんだもんしょうがないじゃん! それにさ、なんかもやもやするし……私はなんだかよくわからない感情を抱きながら、先輩の背中についていくのであった。
「あのぉ……」
「なんだ?」
先輩は私の方を振り返ると私を見る。そして顔を近づけると私の顔をじっと見つめてきたのだ。ああもう本当にやめてその顔! そんなかっこいい顔を近づけられたら余計に意識しちゃうじゃないですかぁ~! ああもうだめだよこんなの耐えられないよぉ~!! もうなんなのぉぉ~!!! ああぁでもやっぱり可愛い顔してるなぁ……なんかずるいよね? 私があれこれ考えていると先輩が不思議そうに言う。
「どうした?」
「い、いえなんでもありましぇん!」
ああもうまた噛んだ! もう私の馬鹿ぁぁ!! 本当に私ってどうしてこうなんだろう。ああもう本当に自分が嫌になるよぉ~。でも……それでもやっぱり先輩の事が好きなんだ。だから……だから私は決めたんだ! 先輩と一緒に幸せになると! あ~でもさ……なんか不安なんだよね。だってもし私が手を組もうって言ったとしてもうまくいかなかったし……それになによりも繭ちゃんがいるからなぁ~……ううっどうしよう。
「水瀬、なんかあったのか?」
ああもう! だからそうやって顔を近づけてこないでぇ~! 本当に心臓に悪いんだからぁぁ~! あ~もぉおおおお!! なんでこんなにかっこいいんだよぉ~! もうダメだ私完全にメロメロになっているじゃんかぁ~! ああもう本当になんで私はこんな人を好きになってしまったんだろう? ああもう本当に自分が嫌になるよ……でも好きなんだもん仕方ないよね? だってさ、こんなにも好きでたまらないんだもん。それにさ、やっぱり諦めきれないんだよね。
「水瀬?」
先輩は私の事を見て言う。ああもう本当にかっこいいなこの人! 私は先輩の顔を見ると思わず見惚れてしまう。
ああもう、やっぱり好きすぎるよぉ~! でも……でもね、私決めたんだ! だからちゃんと言わないといけないよね。
「あ、あのぉ……」
「なんだ?」
ああもう緊張するなぁ~!! でも言わないとだよね? よし頑張るぞ私!
「わ、私と手を」
ああぁぁだめだぁ~! なんでここで噛んじゃうの私ぃぃ~! うぅ私の馬鹿ぁ! もう本当に最悪だよぉぉ~!! ああもうお願いだから助けて誰かぁぁ~~!!
「ん? なんて言ったんだ?」
先輩は不思議そうに首を傾げる。
ああもうなんでこんなところで噛むわけぇぇ!? なんでこうなっちゃうのよぉぉぉ~! ああぁぁもぉおお神様お願いですどうか私にほんの少しの勇気をくださいぃぃぃ~!! するとその時だ、先輩のスマホが鳴ったのだ。その電話を取ると先輩は少し驚いた様子で電話に出る。
「はいもしもし……えっ? あ、はいわかりましたすぐに行きます」
先輩は電話を切ると私の方を見ると言ったのだ。
「水瀬悪いが用事ができた」
ああもう! なんでこうなるのぉぉ~!! もう最悪だよぉぉ~! せっかく勇気を出そうと思った矢先にこれですか!? ああもう本当にタイミング悪すぎでしょぉ~! 私は心の中で叫ぶと先輩を見る。すると先輩は申し訳なさそうな表情を浮かべていたのだった。ああそんな顔しないでぇ~! 別に先輩が謝る事じゃないんだからね? 悪いのはタイミングだからね!?
「水瀬、ごめんな?」
先輩は私にそう言うと私の頭を撫でようとしたのだ。ああもうまたこれだよぉぉ~! なんでこの人は毎回毎回撫でてこようとするんですかぁぁぁ~!! ああもう好きぃぃいいい!!! もうダメ耐えられないよぉおおおお!!!! 私は思わず先輩の腕をぎゅっと掴むと先輩に言う。
「あ、あのぉ……そのぉ……手……」
ああぁぁ言っちゃったよ! 私ついに言っちゃいましたぁぁ! でも……これでよかったんだよね? だってさ、これ以上このままの状態でいるわけにはいけないんだから!
「ん?」
ああもう本当に鈍い人だなぁぁ~! だから私は勇気を振り絞って先輩に言う。
「手……握ってください」
ああもぉお! なんでこんな事言ってるんだ私ぃいいい!! 恥ずかしいよぉぉおお!! ああぁぁもう穴があったら入りたいぃぃ~!!!
「ああ、いいぞ」
先輩はそう言うと私の手を優しく握ってくれたのだああもう本当に優しいなこの人は……大好き! 私は思わず先輩の顔を見る。すると先輩は優しく微笑んでくれたのだった。ああもう本当にかっこいいなこの人……。
「あ、あの……」
「なんだ?」
ああどうしよう! やっぱり恥ずかしいよぉぉ~! ああぁでも言わないとこのままだし……仕方ないよね? 頑張れ私!!
「せ、先輩の事好きです!」
ああ言えたぁぁ~!! もうこれで思い残すことはないぜぇぃいい!! ってあれぇぇええ!? なんでそこで固まるの!?
「水瀬?」
先輩は驚いた様子で私の顔を見る。そしてそのまましばらく固まっていたのだった。
ああ、終わった……私の恋もこれで終わったんだぁ~。ああでもこれはこれでいいのかもしれない? だってこれ以上先輩といたらもっと好きになっちゃうもん!! ああもう本当に最悪だぁぁ~! こんな事なら告白しなければよかったよぉぉ~! ああぁぁもぉお! なんでこうなるのぉぉおおお!!!
私は心の中で叫び続けるのだった。
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