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「ー…俺に用があんだって?」


「…あの、えっと」


不機嫌そうに私をみるこの人

この場にいるのは私と私を見下ろすこの人だけ


マユちゃんは遠くからこちらを覗いてはエールのガッツポーズを決めている


ここまで威圧感、恐怖感を相手に感じさせることができるなんてすごい才能だ。今だって目力だけで人を殺せそう


話がしたいと呼び出してもらったのは私

ここ屋上に呼び出してもらったのも私


…告白の現場みたいだ



双子の弟とは真逆の金髪を風になびかせ、不機嫌そうに眉を下げて


こんなに近くでみたことはなかったけど、近くでみるとわかる。ハヤトくんと似てない

後ろ姿とか歩き方とかは似ているけれど、それだけが似てる


いつだってハヤトくんの隣にたち、ハヤトくんの話を聞き、時折くすっと笑ってて…弟想いの優しい人なんだと思ってた


こんなにこわいなんて、この人こそハヤトくんのお兄さんであり、拓人


神崎拓人







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