38日目

 私はよく「くだらない」という言葉を使う。深い意味はないが、ただ単に、この世の私を取り巻くものすべてが「くだらない」と感じているだけである。誰が偉いとか、なにが善で悪なのかとか。別にしょうもないことに労力を使うようなことをしたくないだけである。いつかこの世界からいなくなるのだから、別にくだらないことは全て「くだらない」で終わればいい。結局、何がしたいのかよく分からないのが私だ。


 くだらないな…くだらない…どーでもいい…


 仲の良い人間もいなければ、これといって好きな人間もいない。嫌いな人間も、心底どうでもよくて、思い出すという労力を使わないようになっている。

 くだらない私は、感情を捨てた。感情のない私で、これからも歩くのだろう。

 

 嗚呼、くだらない

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