33日目

寒さが私を包んでは、生きているということを感じさせてくる。冬、ライトアップされる街を見ながら、今日も帰り道を歩く。寒くても、 人々はライトアップを見たがる。私もそのうちの1人で、よく友達と来ていた。冬特有、この時期にしか生きることの無い景色は、どうも私を嫌に照らしているが、それも、何故か心地よく感じてしまう。雪も、いつか私の身体全体のラインをくっきりとさせるのだろう。降り注ぐことしか出来なくても、生きているということを感じさせてくるのだ。

振り続けるのは、雨でもなく、雪でもない。私の涙。もう、隣にいた者は、どこにもいない。雪も、ライトアップも、あの子の息も、生気も、何も感じさせてくれない。

孤独を感じさせることも出来る「それら」の訪れに、今日も私は包まれる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る