15日目
寂しさが私を飲み込む。優しさが、僕を痛めつける。後悔が、私を創りあげる。私を創りあげるその全てが、私は鬱陶しいと感じた。何も考えないでいい未来を望んでいるのに、なぜこんなにも考え事をしてしまうのだろう。ましてや、私は私を庇うための綺麗事を、幾度となく思いついてきた。その度に、強烈な嫌悪感と、吐き気を感じた。大嫌いな綺麗事が、私を救ってしまう。綺麗事を思いつく私は、私の一部を綺麗事で喰われていく感覚に、心底呆れた。呆れ、嫌いなものに創られる事への悲しみ、そして、綺麗事の中に薄く刻まれている、優しさ。それら全ての後悔が、私を創る。私は、大嫌いな「綺麗事」に、今も生かされている。
私は私が嫌いで、嫌いと思っていることに優越感を持ち、嫌悪感を持ち、綺麗事を羅列しては、救われ、救われている私に嫌悪感を抱く。そしてまた、私は意味不明な優越感に浸るのだ。
「…馬鹿馬鹿しい」
その優越感は、すべての原因は、結局は「綺麗事」だ。
この世界は、綺麗事で溢れている。
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